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『全青協』2022年12月号
「わが社の自慢話」茨城県大同青果株式会社 様

一般社団法人全国青果卸売市場協会
(略称:「全青協」)

※本記事は、一般社団法人全国青果卸売市場協会が発行している機関誌『全青協』(令和4年12月1日発行、通巻627号)掲載の「わが社の自慢話」を転載したものです。

全国青果卸売市場協会 副会長 鈴木 敏二郎

茨城県大同青果株式会社 代表取締役
茨城県地方卸売市場協会 会長

 月田会長から、「思い切って自慢を書いてください! みんなが知りたいのは単なる会社紹介ではなく、経営で上手くいっていることでしょう」とメールをいただきましたので、当社のこれまでの取り組みをお話させていただきます。

 茨城県大同青果(株)は、昭和47年1月設立、同年3月営業開始し、今年で50年を迎える事ができました。 
 今回は当社の IT 化(デジタル化)の取り組みをお話させていただきます。

 今、考えてみると、デジタル化の発端は、アナログであったと思います。 
 2009年12月当時、社員のほとんどが個人の携帯電話を仕事に使用しており、通話料金は個人負担でした。社員より通話料金を会社で出してくれないかとの要望が日増しに増えてきました。 
 どうせなら全額会社負担できないかと考えて、知り合いの携帯電話キャリア社長に連絡して、所謂ガラケーを営業社員中心に貸与し、内線機能も持たせ、営業社員の机の上から固定電話が消えました。料金はビジネスプランで全額当社負担です。

 2014年9月、iPadを役員および幹部に支給。しかし使用目的が曖昧な為、箱も開けずに机の中に入れっぱなし。大失敗でした。
 2016年11月、ガラケーからスマートフォン(iPhone)に切替え。使用したことのない古参社員3名が反対しましたが「電話機能だけ使え」と言い、実施。 
 そして、受発注の FAX を自動で pdf ファイル化し、社内連絡ツール(チャットワーク)にて全営業社員に送信する仕組みを作りました。これにより、社員は夕方、再度出社しなくてもFAX を見る事が出来るようになりました。
 同時に再度iPadも営業社員中心に貸与。勿論、通信費は全額会社負担です。
 これらの端末は私的利用を認めました。私の持論は「私用で使えないものは仕事でも使えない。どんどん私用で使い、早く慣れて仕事に活用しろ」です。これがきっかけで社内のIT化(デジタル化)が大きく進みます。

 2017年10月に、システムの専門家でもある現専務・鈴木貴元が入社。私の考えていたIT化がより大きく進展する事になりました。

 以下は、専務に説明を譲ります。

 

茨城県大同青果株式会社

専務取締役 鈴木 貴元

真のDX(デジタルトランスフォーメーション)
~ デジタル化を通じた業務プロセス・働き方・組織風土に関する三位一体の改革 ~

1.時代遅れな職場環境

 数年前まで、当社の職場環境及び、社員の意識は決して高いものではありませんでした。

 ・あらゆる業務は紙を使用して行われており、積まれた紙書類の山
 ・年季の入った無骨なデスク。座るたびにギシギシと音を立てる椅子
 ・紙書類を保管するために壁一面に並べられたキャビネット。足元に散在するコード類

 その古めかしく冷たい印象のオフィス内は、若手社員に「昔の学校の職員室のよう」と揶揄された程でした。また、環境を変えようにも、新たな取組に前向きではない旧態依然とした雰囲気が滞っていました。

2.トップダウンの改革を決意

 このような状況を打破し、世の中の変化に追随すべく、社長が先頭に立ち改革を決意。
 2018年より5年かけ、デジタル化・人材育成を通して、業務プロセス・働き方・組織風土に関する三位一体の改革を実施してきました。
 改革の具体的な施策として、①ITツール、②ITシステム、③ファシリティ、④スキルを順次一新していくこととなりました。

①ITツール ~時代を先取りした支給~
 こちらは、前述の社長のお話しの通りとなりますので、割愛いたします。

②ITシステム導入 ~業務プロセスの改革、ペーパーレス化への取組~
 2018年より、ITシステムを利用したデジタル改革を次々と実施していきました。

a.FAX・チャットツール連携システム導入
 販売担当者が受注FAXを閲覧するために、勤務時間外に出勤。社員の時間的拘束を助長し、時間外労働時間の増加にもつながっていました。日々の受注FAXをチャットツールに自動で連携するシステムを構築。販売担当者はスマートデバイスのチャットツールにて、受注情報をリアルタイムで確認でき、時間外労働時間の削減に繋がりました。

b.OCR・電子帳簿保存クラウド導入による販売原票のペーパーレス化
 日々、数千枚もの販売原票を基幹システムにおいて入力・チェック業務に約3時間を要し、また、販売原票の長期保管により倉庫設備・搬送コストが発生していました。上記課題の解決策として、OCR・電子帳簿保存クラウドを導入しました。結果として、
 ・販売原票の OCR スキャニングによる入力・チェック業務の軽減
 ・電子帳簿保存法の法令要件を満たした上で販売原票のペーパーレス化(原本廃棄)
 ・販売原票の保管が不要になった倉庫の空きスペースを賃貸し、利益の創出
等の効果を創出。先進的な取組が評価され、「JIIMA第12回ベストプラクティス賞」を受賞しました。

c.バックオフィス業務丸ごとペーパーレス化
 バックオフィス業務では、依然としてアナログな運用が多く残っていました。
販売原票のペーパーレス化によりデジタル化の社内機運が高まったこともあり、バックオフィス業務に関する下記複数のクラウドサービスを一気に同時導入。
 ・勤怠管理・人事管理・給与計算クラウド:Jinjer ジンジャー
 ・経費精算クラウド:ラクス 楽楽精算
 ・会計クラウド:TKC FX4クラウド
 アナログ業務からスマートデバイスを活用した業務プロセスに大きく変容し、ペーパーレス化、データ検索・承認の迅速化等により年間720時間の工数削減を実現。 
 これらの取組は、中小・中堅企業としては史上初となる2度目の「JIIMA第14回ベストプラクティス賞」受賞という形で評価を頂きました。

③オフィスレイアウトの一新
 若手社員に「まるで学校の職員室のよう」と揶揄されたオフィスも一新しました。
若手や中堅社員を中心としたプロジェクトチームを結成し、将来の会社のありたい姿・働き方を議論し、スローガンとして「挑戦 STAGE UP」を掲げ、その内容に基づきオフィスレイアウト一新を断行。フリーアドレスも導入した新しい働き方は、社員のモチベーションを向上させ、また、新卒採用活動においても、学生から好評で採用人数の増加に貢献しています。

④社内勉強会による人材育成
 上記改革を一時的なものとせず、継続的な組織風土として定着させるため、下記社内勉強会を開催し、社員教育を実施しています。

 ・IT勉強会(月1回)
 社員自らが先生役となり、主に ITをテーマにテキスト・テストを作成し、他の社員に教え合うことで、お互いの ITリテラシーの向上を図っています。

 ・財務会計勉強会(月1回) 
 月中に、予算に対する実績数字(売上高、粗利金額、営業利益額、損益分岐点等)を把握した上で、予算達成への対策を検討することで、業績向上を図っています。

 ・PDCA勉強会(月1回)
 部署ごとに、将来のありたい姿から目的、目標を定義して、日々の具体的な行動目標を定義して、毎月、行動目標を振り返り、業績向上を図っています。

 ・情報セキュリティ勉強会(年1回)
情報漏えい等、情報セキュリティへの意識及び、リテラシー向上を図っています。

 ・安全衛生勉強会(年2回)
「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」への知識を深め、法令遵守に対する意識向上を図っています。

⑤組織風土の変化
 デジタル環境が整い、社員教育を充実させていった結果、自発的に新しいことに取り組む組織風土へと変化していき、社内だけではなく、お客様に対して業務改善提案を実施するまでに至っています。
 例えば、「販売価格について、口頭でのやり取りから、Googleスプレッドシートを使ったデジタル化での情報共有の仕組みを確立」等、社員が自発的にお客様と調整して、業務改善を実施するまでになっています。結果、お客様からも高い評価を得ています。

⑥補足:適性検査の数字に現れた取組効果
 当社では、2019年より社員の仕事に対する意識、パフォーマンス等に関する指標について、全社員に対して、適性検査を実施しています。2022年に実施した結果、2019年と比べ、驚異的な向上が見られました。
 ・全社員のうち、積極的な人材の割合 2019年:47% → 2022年:56%
 ・全社員のうち、高パフォーマンス人材の割合 2019年:38% → 2022年:67%
 上記結果については、適性検査の提供会社より「コロナ禍で数値が下がっている企業が多い中、驚異的な数字」との評価をいただいており、このような数値からも改革が推進されたことが垣間見ることが出来ます。

3.今後の展開

 当社では、20年前から同じ販売管理システムを利用しており、IT技術、業務効率、コスト面で問題を抱えております。現在、本システムのリプレースを進めている段階です。
 青果卸売業の前例に捉われない経営視点も加味した新しい販売管理システムを開発して更なる変革を実施していく予定です。
 また、2019年度より、弊社の改革事例をベースとした、ITコンサルティング事業を開始しております。現在、青果卸売業に関わらず異業種・県外企業(東京都、宮城県、山形県、石川県等)のべ 10社のITに関する支援も実施しております。また、当社事例は業界紙にも掲載され、2020年以降、約10社の卸売業会社が当社事例の見学にも来て頂いております。青果卸売業及び、地方の活性化の為、今後もITコンサルティング事業・当社の見学会を拡大していく予定です。ご興味がございましたら、ぜひ下記までお問い合わせをお願い申し上げます。

<当社ITコンサルティング事業>

責任者

専務取締役 鈴木 貴元

責任者経歴

大学卒業後、大手ITベンダー入社。
外資系コンサルティング会社を経て、独自起業。その後、2017年当社入社
2019年ITコンサルティング事業開始

問い合わせ先

TEL:029-226-1521
E-mail:consulting@ibarakidaido.jp

以上

※fudoloopメールマガジン(掲載日:2023年10月20日・27日)
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。
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