さて、市場の皆さんから見て、農業という職業の魅力とは何だと思いますか？
市場の皆さんは、毎日の現場や出荷会議等で農家の方と話す機会も多いと思いますが、農業の魅力をどのように感じているでしょうか。著者は、東北の農家相手に経営支援をするために独立して9年目となります。その中で、多くの農家を見てきて、以下のような魅力があると感じています。
・自由である
上司や部下といった人間関係や営業ノルマはありません。また、品目、規模、栽培、販売先などを、基本的には自分の裁量で決められます。
・自分の技術次第で結果が出る
自分の技術の向上や手をかけた分、作物の成長や品質に跳ね返り、結果が目に見えやすいです。
・定年がない
決まった年齢での引退がないので、いつまでも仕事ができます。
・家族との生活が充実している
2世帯、3世帯で生活している方が非常に多く、家族との時間を充実させることができます。著者が見てきた農家のご自宅には、たくさんの家族写真が飾ってありました。また、「農業は生命を育てるので、自然と良い運気が集まる」と言っていた方もいます。その言葉の表すように、家中から幸せそうな雰囲気が感じられる農家さんが多いように感じます。
・自然に囲まれ、食と住が充実している
土地が広く、家は立派な家が多いです。自然に囲まれて新鮮でおいしい食材がいつも近くにあります。
都会での生活は、お金があってもストレス社会にもまれ、核家族も多くなっています。年に数回の帰省も、渋滞や混雑で移動だけでへとへとになります。ふと気が付くと、幸せが都会の生活に本当にあるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。
かつては都会暮らしが一種のステータスと思われていました。しかし、コロナ禍で在宅勤務という働き方も進み、都会から田舎へ移住する人も増えています。社会や暮らしの変容を経て、農家こそ今の時代を幸せに暮らす最先端を走っているとさえ感じませんか？
市場の仕事は、そんな時代の最先端を走っている農家を支える大事な役目を担っています。農家の高齢化が問題になっていますが、見方を変えれば、高齢になっても続けたいと思える仕事であり、市場の存在も、農業がいつまでも継続できる受皿になっているとも言えるのです。
市場に知ってほしい農家アプローチのためのワンポイント
農家と会って話す時は、商品や相場の話ばかりでなく、市場から見て感じる農業の魅力を伝えてみましょう。魅力を客観的に伝えることで、農家に新たな気付きを与えることができます。
以上
※fudoloopメールマガジン01号（掲載日：2021年12月10日）
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