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2.青果市場業界が抱える問題と課題について(2)
〜生産者が出荷先を選択できる時代に〜【全12回連載】

日本事務器株式会社 fudoloopチーム

※本記事は、2022年10月25日開催の青果流通事業者向けオンラインセミナー「売上を取り戻すために今、青果流通事業者・市場ができることとは」の内容をもとに、記事化したものです。

1.青果市場業界が抱える問題と課題について

前回記事「1-1.社会課題・変化による経営環境の変化」はこちら

1-2.生産者が出荷先を選択できる時代に

市場の機能の低下とともに、生産者を取り巻く環境も変化していきました。

まず、2020年時点の農業経営体数は2010年対比で36%減(※)となっており、生産者の全体数が減少してきています。
また、近年の卸売市場法の改正によって生産者が仲卸業者や市場外卸業者へ直接出荷できるようになったことや、道の駅や小売業者への直接出荷、コロナウイルス感染拡大によって急加速したインターネットを用いたルートへの出荷など、かつて農協または市場へほとんどの生産物を出荷していた頃に比べ現在の生産者の出荷先は多岐にわたるようになりました。
このような生産者の出荷先の多様化は、市場外流通を増やす結果となり、市場の存在感を弱める要因となっていきました。

※農林水産省 2020年農林業センサス結果の概要(確定値)(令和2年2月1日現在)「1 農林業経営体」より

 

さらに農水省のデータによれば全体数が減っている生産者の中でも、これまで主に市場へ出荷をしてくれていた、売上100万円〜3,000万円規模の小・中規模生産者の数が5年前と比較して減少傾向にあるということも報告されており(※)、市場全体の集荷量の減少に直接的に影響していることがわかります。
市場に出荷をしてくれる生産者の数が減少し、他方では囲い込み競争によって市場外流通が増加。青果卸は中間流通として持続するためのリスクに直面しています。

※農林水産省 2020年農林業センサス結果の概要(確定値)(令和2年2月1日現在)「 (4)農産物販売金額規模別の農業経営体数」より

以上

※fudoloopメールマガジン(掲載日:2023年7月14日)
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。

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