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21.第3章 市場から農家に対してのアプローチ(6)〜市場ができる経営支援2 スタッフとのコミュニケーションを支援する〜【全25回連載】

青果流通経営コンサルタント 本田 茂 氏

 農家は、家族間だけでなくスタッフとのコミュニケーションにも課題を抱えています。本メルマガ第2章でも紹介した通り、農家は元々技術を教えたり人に仕事を任せることが苦手なこと、遠慮して言いたいことを言えない方が多いことが、その一因となっています。これから市場がターゲットにすべき農業法人は雇用が多い傾向にあるため、市場もこの課題を理解しておくべきだと考えます。そして、このような農家の課題に対しては、市場にも関係のあることを活用して支援するのが良いでしょう。それが、「GAP認証」です。

GAPを理解する

 「GAP」とは、農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組のことです。この取組が正しく実施されていることが第三者機関の審査により確認された証明を「GAP認証」といい、日本では「GLOBALG.A.P.」、「ASIAGAP」、「JGAP」の3種類が普及しています。
 本メルマガでも紹介した台風被害からの復旧を目指している農業法人(メルマガ第12回)では、国際認証でもあるGLOBALG.A.P.を取得しています。GLOBALG.A.P.に関わらずGAP認証取得の過程では、農場での作業ルールのチェックリストを作成し、そのリストを確認しながら作業し、それを適宜改善していくことが必要になります。この農業法人では50名以上のスタッフを抱えていますが、チェックリストを用いることでスタッフの意識改善が進み、チェックリストの改善やルール周知のためにスタッフ全員で話し合う機会が増えているといいます。このように、GAP認証取得への取組は、スタッフ間のコミュニケーションを増加させます。

農家とGAP認証について話し合う

 そこで市場ができる支援は、スタッフとのコミュニケーションで悩んでいる農家に対して、GAP認証についての勉強会を開催することです。その中で、GAP認証取得がスタッフとのコミュニケーションを増加させることを説明するとよいでしょう。また、GAP認証取得のための話し合いの場に進行役として参加することも、市場ができる支援です。前回のメルマガでもお伝えした通り、場の空気を読むことが上手な皆さんですから、GAP認証の過程で発生する農家とスタッフの話し合いの場作りの支援は非常に有効です。
 既にGAP認証を取得している農家に対しても、できる支援があります。GAP認証は取得したら終わりというものではなく、継続的に取組を実施する必要があります。そのため、継続して実施される話し合いの場に参加することで、農家とも末長い付き合いができるようになると考えられます。

農家のGAP認証取得は市場にもメリットがある

 農家の間でも「GAP」の考え方が随分浸透してきたため、「GAP認証を取得すると有利販売できないか」という問い合わせも多かったのではないでしょうか。これからの市場では、GAP認証を取得するような意欲的な農家・農業法人と積極的に関わり、差別化して量販店の売り場や業務販売先に有利販売していくことが必要になってきます。GAP認証を取得することで有利販売ができるのではなく、GAP認証取得を目指すだけでも今後売場が優先的に確保できる可能性が高くなることを説明し、市場も口先だけでなくそのように動くことがますます大切になってきます。
 このように、農家にGAP認証取得を提案することは、農家の問題の解決支援だけでなく、意欲的な農家との関係性を構築することにも繋がるのです。

市場に知ってほしい農家アプローチ実践のためのワンポイント

・スタッフとのコミュニケーションに悩む農家にGAP認証についての勉強会を提案してみましょう。
・市場もGAP認証について学習しましょう。GAP認証に関心のある農家と関係を構築することは、今後の市場にとってもメリットが非常に大きいです。

以上

※fudoloopメールマガジン21号(掲載日:2022年5月20日)
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。

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