
fudoloopを情報の 「共有」と 「連携」で活用。 ITに合わせて現場を変えていく。
左から→ 代表取締役社長 市川 義人 様 / 常務取締役 市川 勝玄 様 / マネージャー 池田 昂祐 様 / リーダー 久保 昌弘 様
この事例の要約
- ・農家さんからの入荷量の把握や仲買人との情報共有に課題を抱えていた。
- ・農家さんとも仲買人ともスムーズな情報共有、情報連携を目指し「fudoloop」を導入。
- ・「fudoloop」の導入により、入荷量把握の精度が上がって業務が調整しやすくなり、商談にも生かされている。
- ・2年分の市況情報や売り立て情報、今後の入荷・相場予測を提供することで農家さんの役に立てている。
- ・農家さんの状況が分かり、会話が生まれるようになった。
- ・労働時間が短縮され、働き方改革が進んだ。
全国の卸売市場との取引のために農家からの入荷量は必要な情報ですが、把握が十分ではありませんでした。そこで、入荷量の把握や情報共有、業務効率化のためにITツールを導入し、少しずつITに合わせて改善していくよう努力しています。
※出典:農経新聞2024年(令和6年)6月17日2890号
fudoloopを導入し、どのように取り組み、どのように改善できたかについて、代表取締役社長 市川義人様、常務取締役 市川勝玄様、マネージャー 池田昴祐様、リーダー 久保昌弘様にお話を伺いました。
農家の出荷量の把握、仲買人とのスムーズな情報共有と情報連携が課題
貴社の事業概要や取り扱っている青果物を教えてください。
市川社長: 農家が出荷した野菜や果物を販売する青果市場を運営しています。メインの青果物でもっとも割合を占めているのはナス、その次にニラ、その他オクラやミョウガ、キュウリなどを扱っています。
事業上の課題、その上で「fudoloop」へ問い合わせをした理由を教えていただけますか?
市川社長: 青果市場も仲買人にとっても出荷量は必要な情報ですが、農家の次の日の出荷量、その先の出荷量が分からない状況でした。 出荷量に応じて業務量は変わりますし、仲買人や納入側として特売の予定などを立てたい、そのための判断材料が必要など、出荷量の把握に課題を持っていました。
農経新聞の記事を見て、農家の数量マッチングができるツールがあるならちょっと使ってみようかな、という理由で問い合わせをしました。 農家とも仲買人ともスムーズな情報共有、情報連携ができるようなツールであれば使ってみたいという気持ちでした。
初めて「fudoloop」の説明を受けた時の印象はどうでしたか?
市川社長: 今までも農家とは電話やショートメッセージで数量確認を行っていましたが、やはり1対1のやり取りになってしまいます。「fudoloop」のツールを使うことで、複数の農家を一元管理し、複数の農家に対して同時にアクセスできるので、省力化・効率化ができるのではないかと考えました。
導入によりコミュニケーションが不足するのではなく、アプローチ方法を考える
今までの電話でのやりとりが、電話ではなく「fudoloop」のようなシステムを使ったコミュニケーションに変わることで、営業マンや農家が感じる不安感やネガティブなことも考えられましたか?
市川社長: 今まで、出荷農家100件くらいの出荷量確認の電話をかけており、終えるのに朝出社してから12時くらいまで掛かっていました。そのやり取りの中で営業マンが農家から色々な悩みを聞くこともあったかと思います。「コミュニケーションが減ってしまう」という不安の声は確かにあります。ですが、まずは業務の効率を上げて働く時間を短くする。
その後で、必要なコミュニケーションやアプローチの仕方を考えることが重要だと思います。
他の業界と比較すると朝も早く、休みも通常の土日とは異なる、そのような中で会社の経営方針として働き方を変えていきたいという思いはありますか?

代表取締役社長 市川 義人 様
市川社長: 他の青果市場でも同じ問題を抱えていると思いますが、個々の従業員が持つ業務量はとても多いです。 通常業務だけでなく、農家対応や取引先対応に3時間も4時間もかかる。 このような中では残業も発生します。やはり、通常業務の短縮を考えると、ITは欠かせません。慣れないシステムを導入することで疲弊することもありますが、少しずつITに合わせて改善していくよう努力しています。
今後の「fudoloop」に期待していることはありますか?
市川社長: 「fudoloop」を導入してから出荷量の精度が上がっており、販売側も納入側も助かっているという話を耳にします。それにより、価格の乱高下も少なくなっていると思います。 これにより、契約販売がやりやすくなりました。労働時間も改善され、定時で帰ることも増えています。「働きやすい会社」というイメージが広がり、そんな会社で働きたいから中途採用に応募しました、という人もいます。今後は、「fudoloop」を使って農家にどのようなフィードバックができるかが重要だと思っています。 例えば、農家の予測した数量と実際出荷した数量のズレを把握し、農家の行動計画の修正に役立てる。それを過去累計で出して、去年の今頃にどのくらい出荷していたとかを調べ、農家の事業計画に役立てる。そうやって農家も便利なツールになると良いと思います。
出荷予測にツールを利用する、お互いに情報を共有し一緒に前進する
管理者目線で「fudoloop」の話を受けた時の印象はどうでしたか?
市川常務・池田氏: 自分自身も出荷予測をするために農家に電話を掛けていたのですが、そのような形で無くても出荷量の数字が上がってくるツールということで、1回使ってみようと思いました。 ただ、産地、生産者側で対応できるのかな、と感じた部分はありました。
「fudoloop」の使い方に関して、農家に対してどのようにフォローされていましたか?
市川常務・池田氏: 最初はやはり自分達が現場に出向いて、1から覚えていただきました。ツールを使うことが習慣になっていないので数字の報告が抜けていたりしたということもありました。そのようなこともあり導入当初は苦戦しましたが、ある程度しっかり教えれば、その後は多くフォローせずとも使えるようになりました。
出荷量の報告が無い、毎日数字を入れてくれないということもあったかと思います。その場合にはどのように対応されましたか?

常務取締役 市川 勝玄 様(写真左)
マネージャー 池田 昂祐 様(写真右)
市川常務・池田氏: 「fudoloop」の導入によって、農家としては1つ仕事が増え、どこに価値があるのかがわからないと感じた方もいたと思います。 そのためメッセージ機能で市況の情報を配信するようにして「fudoloop」を使うからこそ見れる情報を共有することで、農家側も積極的に使っていただけるようにしました。
「fudoloop」に期待しているポイントをお伺いできますか?
市川常務・池田氏: 栽培履歴のクラウド化や農家人口が減って若手世代が伸びるなど、形は変わってくると思います。個々の農家へまとめて情報が渡せる、農家と企業をつなげるツールとして期待しています。
ツールを利用することでも相手の状況が分かり、会話が生まれる
営業マン目線でお伺いします。今まで農家に電話をかけられたりしていた頃と比較すると、「fudoloop」を導入してみていかがでしょうか?

リーダー 久保 昌弘 様
久保氏: 報告してもらえれば出荷数量の上振れ・下振れが分かります。いつもの出荷量と違う場合に、農家に電話をしてみると実は手一杯で、という状況も分かります。「fudoloop」きっかけでこのような会話もすることができますね。
導入して出荷予測の精度は変わりましたか?
久保氏: 参考数値にはなりました。また、出荷予測数量の中での異常値も見つけやすくなりました。
農家に値段の上げ調子、下げ調子などの情報を早めに渡して出荷量の調整ができるよう心がけています。
「fudoloop」を他の卸や青果物に使えそうと思われるところはありますか?
久保氏: 販売予測や予定出荷量が分かれば配車手配がやりやすくなると思うので、個人宅まで集荷する必要がある生姜などの土物に関しては、使うことができるのではないかと思います。
企業情報
会社名 | 株式会社須崎青果 |
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所在地 | 高知県須崎市妙見町351-1 |
ホームページ | https://www.genkibatake.co.jp/susaki/ |
※取材日:2024年4月
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。