
fudoloopをきっかけに生産者と強固な信頼関係を構築。 生産者が提供する情報が販売先へつながっていく。
左から→ 商品部第三グループ 課長代理 中川 輝一 様 / 常務取締役 丹藤 松年 様 /
商品部第一・第二 営業本部理事 遠藤 和典 様 / 商品部第二グループ 次長 鈴木 正幸 様
この事例の要約
- ・出荷量確認と集計作業に時間がかかっていた。
- ・情報連携強化と業務効率化を目指し「fudoloop」を導入。
- ・「fudoloop」の導入により、出荷量の確認と集計作業の時間短縮ができ、休日を含む在宅時間での負担が減った。
- ・事前に出荷量が分かるようになり、販売先と精度の高い商談が以前よりも安心してできるようになった。
- ・農家とのコミュニケーションが増え、信頼関係が向上した。
沼津中央青果株式会社様は、静岡県沼津市にある青果卸売市場です。静岡県産商品の販売構成比50%を目標にしており、「いただき」ブランドの立ち上げや行政とともに地産地消の取り組みも行っています。
そのためには、生産者や販売先との信頼関係を強くしないといけません。地場野菜の生産者とともにfudoloopを活用し、相対販売での適正価格販売を目指しています。
fudoloopを導入し、どのように取り組み、どのように改善できたかについて、常務取締役 丹藤松年様、商品部第一・第二 営業本部理事 遠藤和典様、商品部課長代理 中川輝一様にお話を伺いました。
行政と組んで地産地消を推進、市場が持つ情報を幅広く提供して協力
事業概要、沼津エリアにおいてどのような役割を担われているか、教えてください。
丹藤氏: 静岡県東部地区と伊豆半島エリアで、青果市場において静岡県産の商品の販売額、販売構成比を50%以上を目標にしています。
物流の2024年問題も考慮し、静岡県内の商品の集荷力を上げたり、農産物を出荷するにあたり地産地消することへの取り組みを行っています。 例えば「いただき」というブランドを立ち上げ、自社オリジナルのレンチン袋を作って買っていただいたり、「いただき」もののコーナーを設置するなど、生産者にも安心していただけるような市場になろうと新しい取り組みをしています。
その他行政とは、学校給食における地産地消についての取り組みである「学校給食を考える会」への参加や、障害者雇用による経済維持率への協力、ひとり親支援、各種イベントへ参入しながら沼津中央青果の情報を提供し、幅広く協力、業界として携わっています。
流通や小売など、業界に対する危機感や貴社が感じられている事業上の課題点はどのようなことがありますか?
丹藤氏: 温暖化により、生鮮の物流が少なくなっていることに課題を感じています。大型生産地も年々減ってきていて、青果業界だけではなくスーパーも品薄の問題を持っています。また、朝が早い業界でもありますので、労働環境による人手不足も課題です。その原因として共配がゼロであるということもあり、発注をリード2型にすることで交代制にして稼働をコントロールする、物流の問題解決へも取り組んでいる最中です。
販売先にも生産者にも情報を還元し、信頼関係を強くする
「fudoloop」を使ってみた印象はどうですか?
丹藤氏: 導入当初は営業現場の考えと噛み合わない部分もありました。そこが少しずつ改善されていきました。 これからの課題は、現在主に大口生産者が利用されていますが、取引している全生産者に使ってもらえればもっとメリットが出てくると感じています。
メリットとは、どのような部分においてでしょうか?
丹藤氏: 生産者が報告する出荷量の数字で違いが無くなること、それによって販売先にもご迷惑を掛けなくなります。 また、本来であれば朝にならないと分からない出荷数量が前日の夕方に出荷数量が分かる、そのおかげで物流に“ハメ込む”力も出てきました。 また、社内の情報共有ができるようになった、これが1番大きい効果だと思います。
「fudoloop」の導入で生産者や社内で還元できたことはありますか?

常務取締役 丹藤 松年 様
丹藤氏: 私たちは競売となるりんごとは異なり相対販売しか行わないので、お客様との信頼関係が1番強くないといけません。
「fudoloop」から情報をいただけることによって商品を大事にする、ということが流通にも生産者にも伝わっているのではないかと思いますし、私たちも情報を発信することで生産者も理解をしてくださっていると考えています。また、社内においては全てがデータ化しつつあるので、部署異動時の引き継ぎなどはスムーズに行くと思いますし、生産地もAIを入れて取り組んでいくなど、最新のツールを入れることは悪いことではないと思っています。
会話が無くなることへの不安は解消され、生産者も納得して使ってくれる
現場として「fudoloop」への最初の印象や、実際に使ってみてどうでしたか?

商品部第一・第二 営業本部理事 遠藤 和典 様
遠藤氏: とっつきにくい、難しすぎて生産者も付いてこないだろうという印象でした。 「fudoloop」で数字報告をしてもらうことで今までの電話でのやり取りがツールを使いデータとして共有される、これにより、生産者との会話が無くなることが1番心配でした。そのため、ギャップを感じながらスタートしました。ただ、ペーパーレスなど色々なものが変わった時期でもあり、電話や口頭で伝えていることを文章化すると言えないことが言えるようにもなり、今になって考えるとなぜもっと早くやらなかったのか、と感じています。
高齢の生産者も使い始めていただいていると思いますが、使うようになってくれたポイントはどこでしょうか?
遠藤氏: 地道な努力でした。生産者も「fudoloop」を使うことによる結果が分からなかったので、前に進めなかったということもあると思います。実際に使ってみて数量の報告だけでなく、「近くのスーパーに売ってますよ」というような会話が「fudoloop」でできるようになったのも良かったのだと思います。
貴社の働き方にはどのような影響がありましたか?
遠藤氏: コミュニケーションが減ると思っていましたが、逆に増えました。「fudoloop」により正しい値段で地場の産物がスムーズに売れることに生産者も納得してくれているところもあると思います。
また、出荷数量確認のための人員も削減でき、出社時間も1時間遅くすることができるようになりました。
情報集約だけではなく、事前の情報は事前の販売へつながっていく
「fudoloop」の導入が何かの一助になっている部分はありますか?
中川氏: 生産者が事前に出荷情報を送ることにより、その情報を流通につなげて事前に販売ができることにメリットがあります。 また、生産者もその情報を送らないと乗り遅れてしまったり、単価の変動につながってしまうことになるので、その徹底ができていることが良いと思います。
社内の別部署、他の作物を扱っている営業担当者にどのように「fudoloop」を説明すると使ってくれると思われますか?
中川氏: 実績に結びつく1番の方法だということと、その結果が目に見えて出てきているということは伝え、情報集約や入荷処理なども対応できるメリットを説明して薦めます。ただ、生産者が口頭で言ったような内容なども音声メモで記録できる機能があると良いかもしれません。
「fudoloop」に今後どうなって欲しいなどの希望はありますか?

商品部第三グループ 課長代理 中川 輝一 様
中川氏: 今は「fudoloop」は生産者とのやり取りがほとんどなので、色々な人を巻き込み、情報を共有、状況を把握できるようにする。同じ作物でもそれぞれの出荷状況がわかるといった、リアルなマーケティングができるようなツールになれば面白いと思います。
企業情報
会社名 | 沼津中央青果株式会社 |
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所在地 | 静岡県沼津市原2608-56 |
ホームページ | https://numachu.com/ |
※取材日:2024年4月
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。