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2.第1章 農業の現実を知る(2)〜農林業センサスから見る農家の実態〜【全25回連載】

青果流通経営コンサルタント 本田 茂 氏

 今回は、統計データから、農家の実態を見ていきます。

農産物販売規模別の経営体数(全国)

出典:農林水産省Webサイト
2010年世界農林業センサス(https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/about/2010.html)および
2020年農林業センサス(https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/2020/index.html
を加工して作成

農林業センサスから農家を分析する

 この表は、農林業センサスといい、5年おきに公表される農業経営体数の統計調査を加工して作成した表です。(この経営体数には稲作、畜産も含みます)
 まず、経営体数の合計を見てみると、2010年から2020年のわずか10年の間に150万人から98万人に、率にして35%も減少しています。これはすごい減少率です。

 次に、2020年のデータを見ると、98万人のうち、1,000万円以下の経営体数が87%を占めています。この数字から、小規模の農家がまだ大半を占めていることが分かります。しかし、この1,000万円以下の経営体数は10年の間に、率にして20〜40%減少しています。これは、高齢化によるリタイアが大きな要因です。
 1,000万円~3,000万円の経営体数も減少していますが、これは、規模を縮小する農家と、規模拡大に舵を切る農家に二分されていると考えられます。

 そして、3,000万円以上の経営体数は増加しています。特に、5,000万円以上になると増加率が上がっています。これは、農地の集約や畜産の規模拡大、6次産業化など軌道に乗った大規模経営者が、さらに経営拡大の方向に進んでいることを表しています。

市場の今後の売上は減少する可能性がある

 皆さんお気づきでしょうか。減少している1,000万円以下の層はJAや市場への出荷が主であり、増加している3,000万円以上の層は市場外流通へとシフトしています。となると、市場の今後の売上は、5年後には20%〜30%、10年後には30%~40%減少していく可能性があることになります。
 ところが、市場に出荷する1,000万円以下の母数はまだまだ多いので、現場での感覚は、この表ほどではないのかもしれません。また、出荷生産者数が減少しても、近年の異常気象より相場高になると金額が予想より下がらなくなることもあり、市場の危機感はまだまだ低いように感じます。
 この表から分かることは、1,000万円以下の層の減少をこれから覚悟しなければいけない点、販売規模別に市場から農家へのアプローチの仕方を変えなくてはいけない点です。

 では皆さんは、販売規模別の農家のイメージがどれくらいできているでしょうか?
 次回からは、その説明をしていきたいと思います。

市場に知ってほしい農家アプローチのためのワンポイント

今後の戦略や施策を考える上で、マーケットを知ることは重要です。この農林業センサス(*)は、県ごと、市町村ごとに閲覧できますので、皆さんの地域の規模別の経営体数、増減数を調べてみましょう。

 *農林業センサス 出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/index.html

以上

※fudoloopメールマガジン02号(掲載日:2021年12月17日)
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。

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