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丸果会津青果の経営革新〜トップセールスによる生産者アプローチと顧客開拓戦略〜

青果流通経営コンサルタント 本田 茂 氏

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1.はじめに

 皆様、こんにちは。このメールマガジンでは、全国の地方青果市場関係者の皆様に役立つ情報をお届けしています。

 事例紹介の前に、経営者の皆様がこれから経営革新をしていくために必要なヒントになるトピックをご提供しております。筆者は、卸売市場関係の仕事の他に主に東北の生産者さんの経営相談をお受けしています。。年間に50以上の決算書を拝見しておりますが、同じ生産者でも業種、規模、年齢、個人か法人かなどにより決算書の中身は様々です。東北地域では、稲作を中心とした土地利用型農業をしながら園芸品目を栽培している方が多いです。園芸や果樹を専門にする方、大きな設備投資をして鉄骨ハウスを建てて本格的に園芸に力を入れる若い経営者もいます。売上高も1,000万円未満から1,000~3,000万円の個人経営、3,000万円以上の法人経営、中には1億円規模の方もいます。今回は、生産者の損益計算書から見えてくる生産者の実態を一部ですが解説したいと思います。


(1)事例1.  〜園芸中心の50代(若手に入る)〜

 最初の事例は、以下の生産者です。(事例はモデル生産者を筆者が脚色しています。損益計算書も実際の数字ではありません。)

表1. (事例1)園芸中心の50代の生産者相談

業種 園芸(キュウリ、ミニトマト、アスパラ、花き、その他、直売所野菜)
規模 100a
個人/法人 法人
家族構成 事業主(50代)、母(70代)、妻(40代)は外でパート、
長男(東京の大学3年生)、次男(高校3年生)
雇用 社員1名、パート数名
経営相談 法人化したが、赤字が続いている。
母はひざが悪く、手間のかかるキュウリを削減したい。
雇用を増やしたいが、今後どのように経営をしたら良いか?

表2. (事例1)生産者の損益計算書


経営診断:
・事業主1名と母、正社員1名で多品目を栽培している。1,300万円の売上は立派である。無駄な支出もなく真面目に農業に取り組んでいる様子が伝わってくる。
・手間のかかる果菜、花き、多品目を栽培しているため、材料費、労務費、燃料費など経費が全般的に圧迫している。
・雇用に積極的であり、法人化して意欲的な一面もある。
・息子2人の教育費がかかり、役員報酬と奥さんのパートで補っており、家計費は相当に苦しいはずであるが借入金はない。今までの堅実な経営の積み重ねを感じる。

経営課題:
・手間のかかる野菜が多く、繁忙期に労力不足で病気の発生や収量減収などの問題が発生している。
・母が高齢で無理をさせられず、今後ますます労力不足が予想される。
・園地が分散しており管理ができていない。
・次男が進学を希望しており、今後ますます家計費がかかる。

助言:
・雇用を維持するために、無理な規模拡大と多品目の栽培構成となっている。品目ごとの作業時間を出して、収益性の高いアスパラなど主軸となる品目構成を作り直すべきである。
・雇用を維持するために無理な規模拡大をするのではなく、今いる人材で効率を高め、繁忙期に後手に回らないように栽培計画を立案する。
・課題である教育費は、国の教育ローンを活用する。借入することは悪ではない。奥さんが別でパートをして家計費を補充しているのもメリットである。親を想い農地を守り、二人の子供を立派に育てている。家計と農業を分けて考えて、農業は無理をせずに戦略的に収益を高める経営の転換をすることも考える。


(2)事例2. 〜新規就農者〜

 次の生産者は、非生産者から新規就農した若手です。

表3. (事例2)新規就農の生産者相談

業種 園芸(ナス、ピーマン、その他 直売所野菜)
規模 50a
個人/法人 個人
家族構成 事業主(30代)
雇用 パート数名
経営相談 新規就農して2年目である。
今後のどのような品目を拡大すればいいか?
どのように雇用したらいいか?

表4. (事例2)生産者の損益計算書


経営診断:
・新規就農2年目で200万円まで売上を上げている。生産技術が習得していない中でまじめに取り組んだ成果である。
・品目は、果菜の中では手間のかからないナス、ピーマンなど身の丈にあった品目で最大限の売上につなげている。
・ナス、ピーマンの販売先は、地元の漬物加工業者にバラ出荷で契約栽培をしており、栽培に集中できている。
・雑収入は、新規就農時に5年間支給される補助金である。この補助金のおかげで経常利益180万円を達成しており、ここから家計費を捻出している。  

経営課題:
・自立するために、補助金が支給されなくなる3年後までに300万円の所得を達成したい。
・売上の上がる品目と雇用を実現したいがどのように取り組めば良いか分からない。
・生産技術が不足しており、新しい品目はリスクもある。

助言:
・ナス、ピーマンに絞り確実に売上を上げており、リスクの多い新規就農者で2年目で200万円の売上は立派である。バラで出荷できる販路があり、栽培に集中できていることが要因である。
・あと3年間で自立できる所得を出すためには、販路、新たな品目、雇用の3つの課題に取り組む必要がある。
・新たな品目を決めるためには、顧客に「いつどんな野菜が欲しいか?」ニーズを聞くことである。作ってから販路を探すのではなく、顧客が欲しいものを提供することが大事である。
・3年間でナス、ピーマンで収量をあげられる生産技術を達成できれば、難易度が高いキュウリ、ミニトマトなどの果菜や顧客が望む品目などを、普及センターと相談しながら計画を模索すると良い。
・雇用については、近くの主婦やシルバー人材をターゲットにして短時間パートを募集すると良い。口コミなど身近なところからまずは当たっていく。雇用する際は、雇用契約書の作成と労災保険の手続きは必ずするようにする。
・今後は、常に1年先、2年先の栽培計画と予測損益を計画すること。計画をたてると売上達成に向けて行動も明確になっていく。計画に対して数量と単価、売上のチェックをタイムリーに行い、栽培技術や販売先との打ち合わせなど早く改善の手を打つ。これからの農業は、「みんなで出荷すればなんとかなる」ではなく、予測損益と実績を管理する経営力が大切である。


(3)まとめ 〜損益計算書から見える生産者への接し方〜

 2つの事例生産者を見ていただきましたが、いかがでしたか?
 筆者は、まず売上高をみてどのくらい苦労して農業に取り組んでいるか? そして各経費を見ながら数字から見える現場の苦労を想像します。そこをねぎらいながら、いい所を探し、そして課題をヒアリングしていきます。皆様、現状に様々な課題を持ちながらも将来どうしたいか? 自分が将来成りたいビジョンを引き出しながら、課題解決と目標設定を助言していきます。間違いなく言えるのは、「生産者一人ひとりがそれぞれ課題とビジョンを持っている」ことです。
 例えば、皆様のところに上記のような新規就農者が相談にきたら、営業社員はどう答えていますか? 「ロットが少なく、選別も悪ければ高くは売れないよ」、「相場次第かな」など、市場の都合で曖昧な対応をしていないでしょうか? それは、長年の皆様の仕事が「商品は見ていても、生産者の経営や生活を見てこなかった」ことが大きいのかもしれません。商品だけ見ていると、新規就農者も、有機農業に取り組む生産者も、大規模な家族経営も、法人も、全て同じ対応になってしまいます。生産者が損益計算書を見せることはなかなかないとは思いますが、反収や売上高、労務費や出荷経費にどのくらいかかり、所得がいくら必要なのか? どのようなビジョンを持っているのか? もっと、深く生産者の実態に興味を持ってほしいと思います。そして、青果物流通のプロの皆様が、皆様の得意分野で生産者の所得をあげるために何ができるのか? ここを提案するのが皆様の本来の営業であり、市場の役割であると思います。

2.丸果会津青果の経営革新

 今回は、福島県の丸果会津青果を取り上げます。
2003年の売上高が41億円でした。そこから17年間、売上高を落とすことなく堅実な経営をされております。東日本大震災時の東京電力原発事故の風評被害を最も受けた福島県で大変なご苦労もあった中で、この数字は長年の努力の賜物であると感じました。どのような取り組みがあったのか? 3年前に社長に就任された鈴木新社長にインタビューさせていただきました。

表5. 丸果会津青果の概要

名称 丸果会津青果株式会社
設立 昭和50年10月6日
代表 代表取締役社長 鈴木 新
資本金 4,990万円
売上高 42.7億円(税込)
売上高構成 野菜54%
果実28%
水産その他18%
※売上高構成は令和元年度
従業員 34名(パート含む)
営業社員20名
取り扱い生産者 直売所向け500名(2社)
有機生産者33名
登録生産者1,672名

 鈴木社長は、設立時からの社員で(入社時は21歳)、営業一筋で1993年40歳の時には役員に登用されており(品目担当兼任)、会社の売上を支える主軸として活躍されておりました。転機は2002年に、ある首都圏の量販店の部長が会津にこられ、特産である南郷トマトや地域のJA直売所を視察していたときでした。このような「地元の直売所を、量販店の売り場で実現したい」と部長の言葉があり、前向きに取り組む返事をされました。その年の秋には、2店舗で試験運用を開始。朝集めた農産物を午前中の内 に、自ら2トン車を運転して首都圏のお店まで納品されました。売り場に品揃えしているそばから顧客が買い求め、納品した当日の午前中に消化率が95%を達成し、量販店部長からも大きな評価を得られました。翌年は6店舗に拡大、以来この量販店との直売所事業は現在でも継続し、登録生産者は約400名(ピーク時は500名)納品店舗は135店舗、売上高は2.7億円となっております。
 この首都圏量販店との直売所事業の前段で、1998年に別の量販店との取り組みの経験がありました。首都圏大手仲卸の営業開発課A氏を通して、ある量販店へ商談にいくチャンスがあったのです。当時の量販店の商品本部長に会津の野菜を買ってほしいと企画書を持参したところ、企画書は見てももらえずに「会津のトマトと山形県や岩手県のトマトとどこが違うのか説明できますか?」との問いに、瞬時に「会津のトマトは朝採りで販売できます」と答えました。「よし、では朝採りトマトの提案がきちんとできたら、会津の他の野菜も購入します」と、会津から首都圏量販店への風穴を開けることに成功をしたのでした。

写真1. 市場の様子


 その年からバラで集荷して市場内でパッケージを行う事業を開始し、鮮度よく会津の野菜を首都圏に納品する仕組みを作り上げました。首都圏大手仲卸A氏からは、「バイヤーが何を望んでいるのか? 産地を限定して町、村単位で産地の特産をアピールして、地域全体の農産物をアピールする。鮮度よく納品する仕組みを作ることができれば1億円の売り場がとれる」ことを、論理だてて教えていただいたそうです。
 驚いたのは、生産者との値決めは「生産者の欲しい所得から算出し、シーズンを通した一定価格で量販店へ納品している」ことです。2000年はじめは皆様もご存じのとおり、中国の輸入攻勢やバブル崩壊後の不景気などもあり、野菜の値崩れが長期化していた時代でした。それに対応するため、安定して販売するメリットを生産者に説明し、集荷を拡大していったのです。
 こうした首都圏量販店との取り組みで直接販売する経験をしていったため、別の仲卸経由で新たに首都圏の生協との取引ルートも確立しています。
 次に鈴木社長が取り組んだのは、オーガニック野菜です。2017年にオーガニック生産者22名をまとめ「会津オーガニック匠の会」の設立を支援し、大手量販店への納品を開始。売上高は初年度700万円から2020年は3,000万円、本年度は4,000万円と確実に取扱量を伸ばしています。まだまだ市場全体の売上からみれば一部ですが、次の手へ着手しています。

3.経営革新の考察

 経営革新の成功要因を下記のようにまとめてみます。

表6. 経営革新 成功のポイント(考察)

視点 成功のポイント
鈴木社長のトップセールス ・環境やマーケット変化を自分ゴトとして捉えた
・会津野菜の発展を考えた施策のため多くの人に支援してもらえた
・生産者の未来のシミュレーション
顧客の視点 生産者:バラ集荷、市場でのパッケージ、シーズン値決による所得の安定
量販店:会津野菜の囲い込み、鮮度重視の流通
業務プロセスの視点 首都圏量販店への直売所方式での直接販売への転換
教育と学習の視点 首都圏大手量販店 商品部長との商談の経験から顧客対応のノウハウを学習
財務の視点 ・売上高43億円を維持
・首都圏への販売8億円(直売事業、相対取引)

 まず特筆すべきは、鈴木社長の営業のチャンスを逃さない点にあります。首都圏量販店の本部長から「会津と山形の野菜の違いを述べよ」突然の投げかけに、間髪を入れずに「朝採り野菜ができます」と答えられたのは、常日頃から「どのようにしたら生産者を囲い込むことができるか」を考えているからだと思います。実際に、朝採り野菜の試験販売について、この商談の数年前から構想があったことが大きいです。量販店との商談は一瞬です。相手がバイヤーであれば何度でもリベンジができますが、バイヤーの上の商品部長との商談では、その時に良い印象をもらえなければ納品は難しかったと思います。しかし一度商品本部長にOKをもらうと、取引は一気に進みます。鈴木社長が役員時代から、自ら量販店の権限ある方へトップセールスを行っていたことが成功の大きなポイントです。

 

 1990年代後半に直売所のビジネスモデルが脚光を浴び始めたころ、多くの市場は「自社には関係ない」と対策を練らなかった中で、鈴木社長は「この直売所方式はやがて全国に広まる。そうなると市場の存在意義がますますなくなる」と、危機感を感じたと言います。一方で地元JAの直売所を観察していて、繁忙期に売れ残りになる生産者のリスクや生産者同士の競争が起きる点など、「直売所の問題点」にも目を向けます。そこで、この直売所方式を市場がコーディネートすることで、直売所ビジネスの問題点を解決できないか? 数年間思考錯誤をしていた時に、量販店の商品本部長が現れ、自社でこの直売所をやる構想があることを知ると、すぐにトップセールスで話を実現させていきました。鈴木社長のトップセールスの成功の陰には、「日頃から生産者の動向を見ながら未来のシミュレーションを行い、危機感を持ち、対策を思考錯誤していたこと」があると思います。


 さらに、鈴木社長は有機生産者に目をつけます。有機生産者は皆様もご存じのとおり小ロットであり、自社の流通を好む傾向があり、市場とは相性がいいとは言えません。ただ、そこで思考を止めないのが鈴木社長です。EUやアメリカでの有機農産物の流通は全体の2~3%。現在の日本は0.2%にも満たず、市場が目を向けないのも当然かもしれません。しかし、「将来は日本もEUのように有機農産物の流通が3%になってくると、市場が取り組んでいないことは大きなリスクになる」と、危機感を持たれました。
 そうして2007年ごろから有機生産者とのコンタクトをはじめ、上述のように市場主導で有機生産者の組織化を支援しています。当時有機生産者の方は、マーケットが小さく配送コストの負担に加え、有機生産者どうしで顧客がバッティングする問題を抱えておりました。鈴木社長は有機生産者を前に、「皆さんはどこに向かいたいのですか? 自己満足でなくきちんと流通に乗せて、一人でも多くの消費者に有機野菜を届けることが目的ではないですか?」と切り込んだそうです。こうした地域の生産者の内部まで立ち入り、有機生産者と課題をなんとか克服しようとしていた取り組みが、これも大手量販店への納品につながっています。

写真2. 有機野菜売り場


 以上から、鈴木社長が未来のシミュレーションをおこない、危機感を持ちトップセールスなど具体的な行動に移せていた点と、会津野菜の発展のために多くの方の支援を得ることができていた点が今回の経営革新の大きなポイントになろうかと思います。


 一方、「顧客の視点」では、「生産者の立場で所得を上げること」を鈴木社長は常に気にかけております。バラ出荷で労力を減らし、鮮度を上げることで生産者は栽培に集中することができ、面積も増やすことができます。直売所方式では、「売れ残りリスクをどう解決するか?」という、生産者の課題に踏み込んで考えています。また、量販店に対しては、「量販店の本部の立場」に立って考え、他社との差別化を図りたいというニーズをつかみ、提案をされています。具体的には「価格で仕入れをするエリアバイヤー」と「本部で他社との差別化の取り組みを求められる本部バイヤー」では立場が大きく違います。鈴木社長は本部バイヤーの顧客の視点で、地域の囲い込みや鮮度重視の仕組みづくり、直売所方式での提案を実現されています。


 こうして「業務プロセスの視点」で、バラ流通、シーズン値決めの仕組みや直売所方式の仕組みを作られました。バラ流通は、すでに多くの市場でも実施しておりますので詳細は割愛しますが、直売所方式を紹介します。
 現在、量販店2社・計135店舗に納品しています。生産者は自身でパックして氏名と価格を記載したシールを貼り、各集荷場へ出荷。JAが集荷して市場の集荷場へまとめます。そこで量販店の店舗ごとにピッキングをして翌日に店頭に並べます。価格は市場とJAで市況をみながら決定し、当日の売れ残りは店で値下げして売り切ってもらいます。実際に売れ残りの廃棄率は2%程度。顧客の満足度が高くリピーターがついていることが分かります。
 有機野菜については、「生産者の自己販売ルートも尊重し、残ったものを出荷してもらうこと」「価格は市場相場の3割増で値決めすること」を、現状の直売所方式にカスタマイズする形で新しい業務プロセスを完成させています。
 鈴木社長に「なぜこのような、通常の市場ができない挑戦をすることができたのか?」と質問すると、「その時その時のご縁と商売のチャンスを逃さなかったことが大きい」と答えてくれました。その中でも「最初に量販店を紹介してくれた首都圏大手仲卸の営業開発課A氏に、商売のイロハを教えて頂いたことは大きい」と言います。上述のとおり、常に将来のシミュレーションを行い、危機感を持ち、生産者と向き合う姿勢も大事ですが、こうしてたくさんの量販店の本部バイヤーやその上司と、商談を重ねて成長してきた「学習と成長の視点」は大きな成功要因の大きなポイントです。あえて誤解を招く言葉を恐れずに言うと、今の市場(卸)の皆様の仲卸への販売は「練習試合」であり、直接バイヤーや商品本部長へトップセールスする、いわば「実践での試合」さらには「全国大会での試合経験の積み重ね」が、これからは特に必要であると思います。商売の成長は一朝一夕にならずです。

4.さいごに

 丸果会津青果の取り組み、基本的にはバラ集荷や直売所方式で生産者の所得向上に向けて「集荷した農産物を直接販売する」という点です。前回ご紹介した丸勘山形青果市場とよく似ておりますが、両社の違いは、「個別に生産者を集荷する丸勘山形」と「JAとタッグを組んだ丸果会津」かと思います。両社の相違は、地域性やその時の環境の違いもあり、優劣を決めるものではないと考えます。
 しかし両社に共通する点が二つあります。一つ目は「生産者の損益計算書また、生産者の生活や所得に踏み込んで生産者にアプローチをしている」点です。そして二つ目は、「直接販売という試合を重ねて、経験を蓄積している」点です。両社のビジネスモデルはシンプルですが、簡単にまねできないのはそのためであると思います。生産者の所得を改善するためには、バラ出荷など生産者の労務費を削減する、直接販売をすることが有効ですが、それ以外にもヒントはあります。


 本メールマガジンの企画を立ち上げた日本事務器さんが手がける『fudoloop』というアプリを活用するなど、生産者とのコミュニケーションとデータ活用することで、生産者へアプローチしていくことも大事なポイントとなります。これからの地方市場の経営革新のヒントは、「生産者タイプごとの損益計算書をよく理解し、どのように攻略していくか?」です。次回以降のメールマガジンでも少しずつ紹介していきたいと思います。

以上

※取材日:2021年7月
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。

こちらの資料をPDFでダウンロードいただけます。ぜひご活用ください

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