1.青果市場業界が抱える問題と課題について
前回記事「1-2.生産者が出荷先を選択できる時代に」はこちら
1-3.存在感が薄くなっていく市場の行き先は?
前述したように現在多くの市場が本来の機能を果たせず、市場としての力が弱まっている背景には、主要出荷生産者の減少や生産者の出荷先の多様化が存在しています。これらは決して一時的なものではなく、ほとぼりが冷めるまで待てばかつてのような状態に戻るということはないでしょう。
生産者の出荷先の多様化により市場自体の存在感が薄くなることで、市場の価格形成機能はどんどん弱くなり、荷物も集まらないため買付比率もどんどん上がっていきます。さらには、生産者との接点が少なくなることで市場の情報受発信機能を弱体化させることにも繋がっていくことでしょう。
今起きている事実を素直に受け止めず、このまま何も行動を起こさなければ、廃業や経営破綻、解散や事業譲渡など、自分たちの居場所を失う可能性も現実味を帯びてきます。
令和4年9月24日に、横浜市中央卸売市場で長年青果卸を手がける金港青果が存続期間を11月30日までとし、解散することを決めたことも記憶に新しい今。会社を、社員を、生産者をそして地域を守り続けるために今、自分たちにできることを見つけて行動すべき時がきています。
次章では売上を取り戻すために行動を起こし、市場ができることを試行錯誤してきた沼津中央青果様の福嶋様・遠藤様からお伺いした事例をご紹介していきます。
今、青果流通事業者として、市場として必要な気付きは何か?何から行動に起こせるだろうか?と貴社の状況を重ねながら読み進めてみてください。
以上
※fudoloopメールマガジン(掲載日:2023年7月21日)
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。