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17.第3章 市場から農家に対してのアプローチ(2)〜農家に市場の仕事を正しく知ってもらう〜【全25回連載】

青果流通経営コンサルタント 本田 茂 氏

 農家へアプローチする前に1つ知っておいて欲しいことがあります。それは、農家から見ると市場流通はブラックボックスであるということです。筆者は日々農家にアプローチしていますが、「市場がどのような仕組みで、どのように販売しているのか分からない。」「相場とはいったい何なのか?」「卸や仲卸はどのような流れでどのくらい手数料をとっているのか?」「担当者によって対応が違うのはなぜか?」といった質問を頻繁に受けます。市場が思っている以上に、農家は市場流通のことを分かっていません。そして一般的に、わからないものには不安を感じます。
 では、どうすればよいでしょうか。その解決策の1つは、皆さんにとっては当たり前の日々の仕事内容を、もっとオープンにすることです。具体的には、以下のような内容を書面にまとめるとよいでしょう。

市場流通の仕組み

 卸、仲卸、小売の流通過程がわかる図を作成する。

小売や飲食店などへの販売方法

 出荷シーズン終了後、量販店ごと、買参人上位10社の実績とコメントを表にまとめる。

相場の決め方

 東京都中央卸売市場や自社の過去数年の実績(数量、金額、単価)をまとめ、本年の特徴や反省点をコメントする。

今後の販売計画

 次の出荷シーズンはどの顧客にどう販売するのか、目標金額、単価などをまとめる。

 まとめるのは、A4用紙1~2枚程度で十分です。口頭でうやむやにするのではなく書面で簡潔にまとめることで、販売の様子が理解でき、市場と農家との距離は近くなります。

市場に知ってほしい農家アプローチ実践のためのワンポイント

(1)具体的な販売先の実績とコメント
(2)本年度の相場と反省
(3)次年度の販売方針
をまとめて提供すると、農家は販売状況をイメージできるため安心感が増します。逆にこれらがわからないことで、農家は市場から先の流通が見えずに不安になっているのです。

※fudoloopメールマガジン17号(掲載日:2022年4月15日)
※本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。

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