皆さんこんにちは。本日からスタートするメールマガジンでは、市場の働き方改革を取り上げます。働き方改革の初めの一歩を踏み出せるような内容をお届けしていきますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
まずは今回から2回にわたり、働き方改革とは何かを解説します。
働き方改革が始まった背景
そもそも働き方改革が始まった背景を皆さんはご存知でしょうか。働き方改革の背景にあるものは日本の「生産年齢人口(15〜64歳)の減少」と「働き方のニーズの多様化」です。現在、少子高齢化により働き盛りの世代が減少しているだけではなく、日本の人口そのものが減少しています。そんな中、生活スタイルが年々多様化していることで、働き方に求めるものも多様化してきました。仕事と生活の両立ができずに離職する人が増えれば、働き盛り世代の減少とあいまって労働力不足に陥り、日本企業の経営が立ち行かなくなり国としても競争力が低下してしまいます。
これらの問題を解決するために進められているのが「働き方改革」です。厚生労働省は「働く方の置かれた事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、働く人がより良い将来の展望を持てるようにすることを目指したもの」と説明しています。
働き方改革の柱は大きく3つ
2019年に施行された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」には、3つの柱があります。
(1) 長時間労働の是正
皆さんが「働き方改革」と聞いて1番に思い浮かべるのはこれかもしれません。多様な働き方を実現するには、まずは長時間労働の是正が必要です。この数年、時間外労働の上限の見直しや、年次有給休暇の年5日取得の義務化など、多くの法整備も行われています。
(2) 多様で柔軟な働き方の実現
(1)と重なる部分もありますが、多様で柔軟な働き方を実現するためには、労働時間や労働場所の制約をなくすことが必要です。そのため、フレックスタイム制、テレワーク、副業・兼業といった働き方が推進されてきています。この柱は、生活スタイルの変化による離職を減らすだけでなく、子育て・介護・治療をしている方、障害をお持ちの方、高齢者の方といった、何らかの事情で労働市場から離れた人に戻ってきてもらうことも目指しています。
(3) 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
国の調査によれば、現在、働いている人の約4割が非正規雇用であり、非正規雇用の賃金は正社員と比較すると7割を下回っています。約4割もいる非正規雇用の待遇を改善し、意欲を持って働いてもらうことがこの柱の目指すものです。2021年4月には、雇用形態だけで不合理な待遇差を設けることを禁じた法律が施行されました。いずれは「非正規」という言葉を一掃するということも働き方改革の実行計画で記載されています。
「働き方改革」と聞くと、長時間労働削減、ペーパーレス化、テレワークのような単語をイメージする方もいると思います。しかし、これらは日本が抱える課題から落とし込まれた施策の1つにすぎません。働き方改革の背景を知ると、業界・職種・地域を問わず、どの企業も無関係ではないことがおわかりいただけると思います。人口が少なくなる今、実行できることから取り組まないと、将来企業活動を継続することが難しくなるとさえ言われているのです。
※fudoloopメールマガジン(掲載日:2022年8月19日)
※本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。