前回は、新旧基本法の変化について解説しました。今回は、それを踏まえて、今後の農業政策がどうなっていくのか、農家へのアプローチへどう活かしていくのかを紹介します。
今後の農業政策のポイント
今後の農業政策の主なポイント(一部)は以下のとおりです。
表:農業政策の主なポイント(一部)
農業政策は市場の行動指針になる
市場を見ると、1,000万円未満の農家への支援は今でも足りている一方、規模拡大に舵を切った農家への支援は、まだ足りていないように感じます。農業政策が、従来の反省や時代の変化を取り入れながら対象農家を変え、農家も規模拡大など変化している中、市場は変わっていないことが、現在の問題点です。
そのため、市場も対象とする農家や提案を変えていくべきです。今、市場が注目すべきは、農業政策が力を入れている農家、すなわち、補助事業が採択されている農家です。市場の支援が足りていないこれらの農家を対象に追加できれば、市場ももっと栄えていくと感じています。
以上のように、市場が今後どの方針で行動すべきかを判断するためには、農業政策の方向性を注視することが不可欠です。卸売市場法が改正されたから動くのではなく、農業政策の方向性を積極的に把握し、それに沿って動くこと。今の市場にとっては、これが非常に重要なのです。
市場に知ってほしい農家アプローチのためのワンポイント
農業政策に沿って規模拡大に踏み切った農家への支援がまだ足りていません。市場は補助事業が採択された農家を積極的に調べ、アプローチしていきましょう。
参考:奥原 正明「農政改革の原点」,日本経済新聞出版,2020年
以上
※fudoloopメールマガジン06号(掲載日:2022年1月21日)
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